第1節 上場有価証券の発行者が行う当該発行者に係る情報の開示に関する審査
(開示審査の目的)
第27条 上場有価証券の発行者(委託金融商品取引所の規則に基づき書類等の提出及び開示等を行う者を含む。以下この章及び次章において同じ。)が行う当該発行者に係る情報の開示に関する審査(以下「開示審査」という。)は、委託金融商品取引所が定めるところにより行われる会社情報の開示の状況を調査し、当該調査の結果に基づき必要な処分その他の措置を講じ、もって会社情報の開示の適正性の確保を図るとともに、取引所金融商品市場における有価証券の売買等を公正かつ円滑にし、並びに公益及び投資者の保護に資することを目的として行う。
一部改正〔令和4年4月4日〕
(開示審査の対象)
第28条 当法人は、上場有価証券の発行者が行う当該発行者に係る情報の開示のうち、投資判断上影響が大きいと認められるものその他当法人が必要と認めたものを対象として、次の各号に掲げる項目について開示審査を行うものとする。
(1) 当該発行者が当該情報を開示した時期と、当該発行者が当該情報についての決定を行った時期又は当該情報についての認識をした時期との関係
(2) 当該発行者が開示した情報と、当該発行者が提出した臨時報告書その他の法定開示書類において開示された情報との齟齬の状況
(3) 当該発行者が開示した情報の内容の適正性
(4) その他当法人が必要があると認めたもの
(開示審査のための資料等の請求)
第29条 当法人は、上場有価証券の発行者に対し、前条の審査のために必要があると認める資料の提出又は事実の説明及び当該説明の内容を記載した文書の作成を求めるものとする。
第2節 上場有価証券の発行者に対する処分その他の措置の内容の決定
(特設注意市場銘柄への指定及び指定解除)
第30条 当法人は、上場有価証券の発行者が、次の各号に掲げる場合であって、かつ、当該発行者の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認めるときは、当該上場有価証券について、委託金融商品取引所が特設注意市場銘柄に指定することが適当である旨を決定する。
(1) 委託金融商品取引所が定める金融商品等の上場廃止に関する基準(上場契約違反等に関する基準(新規上場申請又は市場区分の変更申請に係る宣誓書において宣誓した事項について重大な違反を行った場合を除く。)、支配株主との取引の健全性の毀損に関する基準、反社会的勢力の関与に関する基準及びその他公益又は投資者保護に関する基準に限る。)に該当するおそれがあると認めた後、当該基準に該当しないと認めた場合
(2) 次のa又はbに該当する場合
a 有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合
b 財務諸表等に添付される監査報告書又は四半期財務諸表等(特定事業会社にあっては、中間財務諸表等を含む。)に添付される四半期レビュー報告書において、公認会計士等によって、監査報告書については「不適正意見」又は「意見の表明をしない」旨が、四半期レビュー報告書については「否定的結論」又は「結論の表明をしない」旨(特定事業会社の場合にあっては、「中間財務諸表等が有用な情報を表示していない意見」又は「意見の表明をしない」旨を含む。)が記載された場合。ただし、「意見の表明をしない」旨又は「結論の表明をしない」旨が記載された場合であって、当該記載が天災地変等、上場有価証券の発行者の責めに帰すべからざる事由によるものであるときを除く。
(3) 委託金融商品取引所が定める会社情報の適時開示等に関する規定に違反したと認める場合
(4) 企業行動に関する行為規範のうち遵守すべき事項として委託金融商品取引所が定める事項(以下「企業行動規範」という。)に関する規定に違反したと認める場合
(5) 委託金融商品取引所が定めるところにより改善報告書を提出した場合(次のa又はbに掲げる場合に限る。)において、改善措置の実施状況及び運用状況に改善が認められないと認めたとき
a 委託金融商品取引所が定める会社情報の適時開示等に関する規定に違反したと認める場合
b 企業行動規範に関する規定に違反したと認める場合
2 当法人は、特設注意市場銘柄へ指定されている上場有価証券の発行者が、当該指定から1年経過後速やかに提出する内部管理体制の状況等について記載した書面(以下「内部管理体制確認書」という。)の内容等に基づき審査を行い、その結果に基づき、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるとおり上場有価証券を取り扱うことが適当である旨を決定する。
(1) 内部管理体制等に問題があると認められない場合
特設注意市場銘柄の指定の解除
(2) 内部管理体制等に問題があると認める場合(改善の見込みがなくなったと認める場合を除く。)
特設注意市場銘柄の指定の継続
3 当法人は、特設注意市場銘柄の指定が継続された上場有価証券の発行者が、当該指定から1年6か月経過後速やかに再提出する内部管理体制確認書の内容等に基づき審査を行い、内部管理体制等に問題があると認められない場合には、特設注意市場銘柄の指定の解除が適当である旨を決定する。
4 当法人は、前3項の決定を行った場合には、遅滞なく、その旨を委託金融商品取引所に通知する。
一部改正〔平成21年8月24日、平成25年8月9日、令和2年11月1日、令和4年4月4日〕
(改善報告書の徴求)
第31条 当法人は、上場有価証券の発行者が、次の各号に掲げる場合において、改善の必要性が高いと認めるときは、委託金融商品取引所が当該発行者に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることが適当である旨を決定する。
(1) 委託金融商品取引所が定める会社情報の適時開示等に関する規定に違反したと認める場合
(2) 企業行動規範に関する規定に違反したと認める場合
2 当法人は、上場有価証券の発行者が、委託金融商品取引所が定めるところにより書類の提出等を適正に行わなかった場合において、改善の必要性が高いと認めるときは、委託金融商品取引所が当該発行者に対して、その経緯及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることが適当である旨を決定する。
3 当法人は、前2項の規定により提出された報告書の内容が明らかに不十分であると認める場合には、委託金融商品取引所が当該発行者に対して、その変更を要請し、当該報告書の再提出を求めることが適当である旨を決定する。
4 当法人は、上場有価証券の発行者が、委託金融商品取引所が定めるところにより第三者割当による募集株式の割当てを行う場合における確約及び書面の提出等を適正に行わなかった場合において改善の必要性が高いと認めるときは、委託金融商品取引所が当該発行者に対して、その経過及び改善措置を記載した報告書の提出を求めることが適当である旨(当該報告書を公衆の縦覧に供することの要否を含む。)を決定する。
5 当法人は、前各項の決定を行った場合には、遅滞なく、その旨を委託金融商品取引所に通知する。
(公表措置)
第33条 当法人は、上場有価証券の発行者が、次の各号に掲げる場合において、必要と認めるときは、委託金融商品取引所がその旨の公表を行うことが適当である旨を決定する。
(1) 委託金融商品取引所が定める会社情報の適時開示等に関する規定に違反したと認める場合
(2) 企業行動規範に関する規定に違反したと認める場合
2 当法人は、前項の決定を行った場合には、遅滞なく、その旨を委託金融商品取引所に通知する。
一部改正〔平成21年8月24日〕
(上場契約違約金の徴求)
第34条 当法人は、上場有価証券の発行者が、次の各号に掲げる場合において、委託金融商品取引所の市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認めるときは、委託金融商品取引所が当該発行者に対して上場契約違約金の支払いを求めることが適当である旨を決定する。
(1) 委託金融商品取引所が定める会社情報の適時開示等に関する規定に違反したと認める場合
(2) 企業行動規範に関する規定に違反したと認める場合
(3) 前2号に掲げる場合のほか、上場有価証券の発行者が、委託金融商品取引所が定める規則に違反したと認める場合
2 当法人は、前項の決定を行った場合には、遅滞なく、その旨を委託金融商品取引所に通知する。
追加〔平成20年7月7日〕、一部改正〔平成21年8月24日〕