第1節 証拠金
(証拠金の差入れ又は預託)
第30条 顧客は、当該顧客の委託に基づく先物取引の売付け若しくは買付け又はオプション取引の売付けが成立した場合において、受入証拠金の総額(第33条第1項に規定する受入証拠金の総額をいう。以下同じ。)が証拠金所要額(クリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則に規定する顧客の証拠金所要額(顧客を任意に細分化した場合においては、当該顧客を任意に細分化した単位の証拠金所要額の合計額)をいう。以下同じ。)を下回っているとき又は当該顧客が証拠金として差し入れ又は預託している金銭の額(外国通貨にて金銭を差し入れ又は預託した場合には、計算する日の前日における東京外国為替市場の対顧客直物電信買相場の当該通貨1単位当たりの円貨額により円貨に換算した額にクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則に規定する率を乗じた額をいう。以下この項、第33条第1項及び第35条第1項において同じ。)が当該顧客の現金支払予定額(第33条第2項に規定する現金授受予定額が負である場合の当該額をいう。以下同じ。)を下回っているときは、受入証拠金の総額と証拠金所要額との差額(以下「総額の不足額」という。)又は当該顧客が証拠金として差し入れ又は預託している金銭の額(第2号に定める場合においては、同号bに掲げる取引形態を実現するために証拠金として差入れを行った金銭の額を除く。)と当該顧客の現金支払予定額との差額(以下「現金不足額」という。)のいずれか大きい額以上の額を証拠金として、当該不足額が発生した日の翌日(当該顧客が非居住者である場合は、当該不足額が発生した日から起算して3日目の日)までの取引参加者が指定する日時までに、取引参加者に差し入れ又は預託するものとする。ただし、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める額を証拠金所要額から控除する。
(1) クリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則の規定により証拠金所要額の引上げが行われた場合であって、取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合は、その指定清算参加者)が自己の金銭をもって当該引上げ額に相当する額をクリアリング機構に預託することを、取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合は、当該取引参加者及びその指定清算参加者)と当該顧客(当該顧客が取次者である場合は、当該顧客及びその申込者)との間で合意し、当該取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合は、その指定清算参加者)がクリアリング機構にその旨を申請した場合 当該額
(2) 顧客が次のaからdまでに掲げる取引に限定した取引を行う場合であって、b又はdに掲げる取引に対する当該顧客に係る証拠金所要額にb又はdに掲げる取引形態を実現するために証拠金として差入れを行った金銭の額及び有価証券の評価額の合計額が満たない場合に、取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合は、その指定清算参加者)が自己の金銭をもってその差額(以下「預託分超過額」という。)をクリアリング機構に預託することを、取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合は、当該取引参加者及びその指定清算参加者)と当該顧客(当該顧客が取次者である場合は、当該顧客及びその申込者)との間で合意し、当該取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合は、その指定清算参加者)がクリアリング機構にその旨を申請した場合 当該預託分超過額
a 業務規程第8条第1項第1号aに定める有価証券プットオプションの買付け又は転売を行う取引
b 業務規程第8条第1項第1号aに定める有価証券プットオプションの売付けを行う際、同時に当該有価証券プットオプションの権利行使によって成立する数量分のオプション対象証券を権利行使価格で買い付けた場合の買付け代金を証拠金として取引参加者に差入れを行う取引
c 業務規程第8条第1項第2号aに定める有価証券コールオプションの買付け又は転売を行う取引
d 業務規程第8条第1項第2号aに定める有価証券コールオプションの売付けを行う際、同時に当該有価証券コールオプションの権利行使によって成立する数量分のオプション対象証券を証拠金として取引参加者に差入れを行う取引
2 顧客が差し入れ又は預託する証拠金は、有価証券等をもって代用することができる。ただし、現金不足額に相当する額の証拠金は、有価証券等をもって代用することができないものとする。
3 前項に定める代用有価証券等に関する事項は、クリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則別表1の定めるところによる。
4 顧客が次の各号に掲げる有価証券等を差し入れ又は預託する場合には、社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)に基づく口座の振替により当該差入れ又は預託を行うものとし、当該差入れ又は預託を行うときは、あらかじめ取引参加者の同意を得るものとする。
(1) 株券(外国株券を除く。)、協同組織金融機関の発行する優先出資証券、投資信託の受益証券、受益証券発行信託の受益証券、債券(新株予約権付社債券を除く。)及び転換社債型新株予約権付社債券
(2) 投資証券のうち国内の金融商品取引所に上場されているもの
5 顧客が外国株券、外国投資信託の受益証券、外国投資証券、外国株預託証券又は外国受益証券発行信託の受益証券を差し入れ又は預託する場合には、保管振替機構が定める「外国株券等の保管及び振替決済に関する規則」に規定する口座の振替により当該差入れ又は預託を行うものとし、当該差入れ又は預託を行うときは、あらかじめ取引参加者の同意を得るものとする。
6 顧客が外国国債証券を差し入れ又は預託する場合には、あらかじめ取引参加者の同意を得るものとする。
7 顧客が外国通貨を差し入れ又は預託する場合には、あらかじめ取引参加者の同意を得るものとする。
一部改正〔平成30年2月13日、令和2年7月27日、令和6年6月3日〕
(証拠金の追加差入れ又は追加預託)
第31条 取引参加者は、顧客に総額の不足額又は現金不足額が生じた場合には、いずれか大きい額以上の額を証拠金として、当該顧客から当該不足額が発生した日の翌日(当該顧客が非居住者である場合は、当該不足額が発生した日から起算して3日目の日)までの取引参加者が指定する日時までに差し入れ又は預託させなければならない。この場合において、現金不足額に相当する額の証拠金は、有価証券等をもって代用させることができないものとする。
一部改正〔令和2年7月27日〕
(リモート取引参加者の顧客に係る取引証拠金の差入れに関する特則)
第31条の2 リモート取引参加者の顧客は、当該リモート取引参加者及びその指定清算参加者との間であらかじめ合意した場合には、第30条第1項及び前条に規定する取引証拠金の差入れ又は追加差入れを、当該リモート取引参加者に代えて当該指定清算参加者に行うことができる。
2 前項の規定に基づき顧客が取引証拠金を差し入れた場合は、当該差入れを第30条第1項及び前条の規定に基づく取引証拠金の差入れ又は追加差入れとみなす。
3 第30条第4項から第6項までの規定は、第1項の合意に基づき顧客が指定清算参加者に代用有価証券等の差入れ又は追加差入れを行う場合について準用する。この場合において、「取引参加者」とあるのは、「リモート取引参加者の指定清算参加者」と読み替えるものとする。
追加〔平成29年4月20日〕、一部改正〔令和2年7月27日〕
(リモート取引参加者の顧客に係る取引証拠金の差入状況に関する報告義務)
第31条の3 前条第1項の規定により取引証拠金の差入れ又は追加差入れを指定清算参加者に行う顧客は、リモート取引参加者の指示に従って、当該リモート取引参加者に取引証拠金の指定清算参加者への差入状況を報告しなければならない。
追加〔平成29年4月20日〕
(証拠金の区分)
第32条 第30条及び第31条の規定に基づき顧客が取引参加者に差し入れ又は預託した証拠金のうち顧客の現金支払予定額に相当する額の金銭以外の金銭又は有価証券等については、当該顧客が取引証拠金として差し入れたものとする。ただし、当該顧客の同意(金融商品取引所等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第54号)第66条に規定する同意をいう。)がある場合には、委託証拠金として預託したものとすることができる。
2 前項の場合において、顧客が取次者であるときは、当該顧客が取引証拠金又は委託証拠金として差し入れ又は預託する金銭又は有価証券等が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するか明示するものとする。
(1) 申込者が差し入れた金銭又は有価証券等
(2) 申込者が預託した金銭又は有価証券等に代えて、当該顧客が差し入れ又は預託した自己の保有する金銭又は有価証券等
一部改正〔平成30年2月13日、令和2年7月27日〕
(受入証拠金の総額等の計算方法)
第33条 受入証拠金の総額は、先物・オプション取引口座において当該顧客が証拠金として差し入れ又は預託している金銭の額及び有価証券等を代用価格(計算する日の前日における時価にクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則別表1に規定する率を乗じた額(外国国債証券については、その時価にクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則別表1に規定する率を乗じた額を当該計算する日の前日における東京外国為替市場の対顧客直物電信買相場の各外国国債証券の評価に用いる通貨1単位当たりの円貨額により円貨に換算した額)を超えない額をいう。)により評価した額の合計額に、次項に規定する当該顧客の現金授受予定額を加減して得た額をいう。
2 顧客の現金授受予定額は、一の日における次項に規定する計算上の損益額に、顧客の委託に基づく先物取引の決済損益額(国債証券先物取引については、受託契約準則第14条の2の3第1項又は第2項に規定する国債証券先物取引の決済のために授受する金銭の額をいうものとする。)のうち当該顧客との間で授受を終了していないもの及びオプション取引の取引代金(有価証券オプション取引については、同第17条第1項に規定する取引代金及び同条第2項に規定する決済のために授受する金銭の額をいうものとし、指数オプション取引については、同第27条に規定する決済のために授受する金銭の額をいうものとする。)のうち当該顧客との間で授受を終了していないものの合計額を加減した額から当該顧客の負担すべき額で取引参加者が必要と認める額を減じて得た額に相当する金銭の額とする。この場合における取引代金は、法第45条の規定により顧客に契約締結時交付書面の交付を要しない場合又は金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号)第108条第7項の規定により取引残高報告書に同一日における同一銘柄の取引の単価の平均額(以下「平均単価」という。)を記載することができる場合には、本所が定めるところにより、平均単価に基づき算出することができる。
3 計算上の損益額は、顧客の委託に基づく国債証券先物取引の相場の変動に基づく利益に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定(取引最終日における取引が終了した限月取引に係る未決済約定を除く。以下同じ。)について、当該未決済約定に係る約定値段(現金決済先物取引にあっては、約定数値。以下同じ。)と計算する日の清算値段(現金決済先物取引にあっては、清算数値。以下同じ。)との差益に1億円の100分の1(超長期国債標準物に係る現物先物取引及び現金決済先物取引にあっては10万円)を乗じて得た額をいう。)、顧客の委託に基づく金利先物取引の相場の変動に基づく利益に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定数値と計算する日の清算数値との差益に25万円を乗じて得た額をいう。)、顧客の委託に基づく指数先物取引の相場の変動に基づく利益に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定数値と計算する日に終了する取引日の清算数値との差益に業務規程第29条第2号に規定する取引単位を取引対象指数の数値で除して得た額を乗じて得た額をいう。)及び顧客の委託に基づく商品先物取引の相場の変動に基づく利益に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定数値と計算する日に終了する取引日の清算数値との差益に金の現物先物取引に係るものにあっては1,000円、白金の現物先物取引及びパラジウムの取引に係るものにあっては500円、銀の取引に係るものにあっては1万円、金の限月現金決済先物取引、金の限日現金決済先物取引、白金の限月現金決済先物取引、白金の限日現金決済先物取引に係るものにあっては100円、RSS3号及びTSR20番の取引に係るものにあっては5,000円、一般大豆の取引に係るものにあっては25円、小豆の取引に係るものにあっては80円、とうもろこしの取引に係るものにあっては50円を乗じて得た額をいう。)の合計額から、顧客の委託に基づく国債証券先物取引の相場の変動に基づく損失に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定値段と計算する日の清算値段との差損に1億円の100分の1(超長期国債標準物に係る現物先物取引及び現金決済先物取引にあっては10万円)を乗じて得た額をいう。)、顧客の委託に基づく金利先物取引の相場の変動に基づく損失に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定数値と計算する日の清算数値との差損に25万円を乗じて得た額をいう。)、顧客の委託に基づく指数先物取引の相場の変動に基づく損失に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定数値と計算する日に終了する取引日の清算数値との差損に業務規程第29条第2号に規定する取引単位を取引対象指数の数値で除して得た額を乗じて得た額をいう。)及び顧客の委託に基づく商品先物取引の相場の変動に基づく損失に相当する額(当該顧客の委託に基づく未決済約定について、当該未決済約定に係る約定数値と計算する日に終了する取引日の清算数値との差損に金の現物先物取引に係るものにあっては1,000円、白金の現物先物取引及びパラジウムの取引に係るものにあっては500円、銀の取引に係るものにあっては1万円、金の限月現金決済先物取引、金の限日現金決済先物取引、白金の限月現金決済先物取引、白金の限日現金決済先物取引に係るものにあっては100円、RSS3号及びTSR20番の取引に係るものにあっては5,000円、一般大豆の取引に係るものにあっては25円、小豆の取引に係るものにあっては80円、とうもろこしの取引に係るものにあっては50円を乗じて得た額をいう。)の合計額並びに第36条の規定により払出しを行った場合の当該払出額の合計額を差し引いて得た損益額とする。この場合における約定値段及び約定数値には、法第45条の規定により顧客に契約締結時交付書面の交付を要しない場合又は金融商品取引業等に関する内閣府令第108条第7項の規定により取引残高報告書に平均単価を記載することができる場合には、本所が定めるところにより、平均単価を用いることができる。
一部改正〔平成27年3月16日、平成27年11月9日、平成28年7月19日、平成29年4月20日、平成30年2月13日、平成30年6月25日、平成30年7月17日、令和2年7月27日、令和3年9月21日、令和4年4月4日、令和5年5月29日〕
(取引証拠金に係る返還請求権)
第34条 顧客は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める取引証拠金から当該顧客が取引参加者に対して負担する先物・オプション取引にかかる債務のうち未履行部分に相当する額(以下この条において「顧客の未履行債務額」という。)を控除した額に相当する部分について返還請求権を有するものとする。
(1) 顧客が差し入れた取引証拠金が直接預託された場合
当該顧客に係る直接預託分の取引証拠金(清算参加者委託分の取引証拠金(直接預託分)又は非清算参加者委託分の取引証拠金(直接預託分)をいう。)のうち、次のa又はbに掲げるもの
a 顧客が取引証拠金として金銭を預託している場合は、当該金銭の額
b 顧客が取引証拠金として代用有価証券等を預託している場合は、当該有価証券等
(2) 顧客が委託証拠金を預託し又は取引証拠金を差し入れ、取引証拠金が差換預託された場合
当該顧客に係る差換預託分の取引証拠金(清算参加者委託分の取引証拠金(差換預託分)又は非清算参加者委託分の取引証拠金(差換預託分)をいう。以下同じ。)のうち次のa又はbに掲げるもの
a 当該顧客に係る差換預託分の取引証拠金として金銭が預託されている場合は、当該顧客が預託している委託証拠金又は差し入れている取引証拠金に相当する額の金銭
b 当該顧客に係る差換預託分の取引証拠金として代用有価証券等が預託されている場合は、当該代用有価証券等のうち、当該顧客が預託している委託証拠金又は差し入れている取引証拠金に相当する額の有価証券等
2 前項の規定により、顧客が有する取引証拠金に対する返還請求権は、取引参加者(当該取引参加者が非清算参加者である場合には当該非清算参加者及びその指定清算参加者)を代理人として行使するものとする。
3 取引参加者が清算参加者である場合においては、第1項に規定する顧客の未履行債務額(当該清算参加者がクリアリング機構に対して支払い又は引き渡すべき顧客の委託に基づく先物・オプション取引に係る債務のうち未履行部分に相当する額を控除する。)に相当する部分の取引証拠金に対する返還請求権は、当該清算参加者が有するものとする。
4 取引参加者が非清算参加者である場合においては、第1項に規定する顧客の未履行債務額に相当する部分の取引証拠金に対する返還請求権は、当該非清算参加者がその指定清算参加者に対して支払い又は引き渡すべき顧客の委託に基づく先物・オプション取引に係る債務のうち未履行部分に相当する額を控除した部分について当該非清算参加者が有し、当該未履行部分についてその指定清算参加者が有するものとする。
一部改正〔令和2年7月27日〕
(証拠金の引出しの制限)
第35条 取引参加者は、顧客から証拠金として差し入れられ又は預託されている金銭又は有価証券等を引き出させてはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に掲げる額を超えない額に相当する金銭又は有価証券等については、この限りでない。
(1) 引き出させる際における当該顧客の受入証拠金の総額が証拠金所要額を上回っている場合には、その超過額をクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則別表1に規定する率をもって除した額(外国国債証券については、当該超過額を東京外国為替市場の対顧客直物電信売相場の各外国国債証券の評価に用いる通貨1単位当たりの円貨額により外国通貨に換算した額をクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則別表1に規定する率をもって除した額をいう。次号において同じ。)に相当する有価証券等又は当該超過額と現金超過額(証拠金として差し入れられ又は預託されている金銭の額が当該顧客の現金支払予定額を超えている場合の当該超過額をいう。以下同じ。)のいずれか小さい額に相当する額(外国通貨の場合には、計算する日の前日における東京外国為替市場の対顧客直物電信買相場の当該通貨1単位当たりの円貨額により外国通貨に換算した額をクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則に規定する率をもって除した額をいう。)の金銭
(2) 当該顧客が証拠金として差し入れ又は預託している有価証券等を金銭又は他の有価証券等と差し換える場合には、当該金銭の額又は当該他の有価証券等の額(第33条第1項に規定する代用価格により評価した額をいう。以下この項において同じ。)をクリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則別表1に規定する率をもって除した額に相当する有価証券等
(3) 当該顧客が証拠金として差し入れ又は預託している金銭のうち現金超過額に相当する金銭を有価証券等と差し換える場合には、当該有価証券等の額に相当する額の金銭
2 前項の規定にかかわらず、取引参加者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該各号に定める金銭又は有価証券等を引き出させることができる。
(1) 顧客が有価証券オプションの権利行使により成立するオプション対象証券の売買に係る決済を当該顧客から証拠金として差し入れられ又は預託されている金銭の交付により行おうとする場合であって、当該顧客の受入証拠金の総額(当該交付に係る金銭の額を除く。)が証拠金所要額(当該権利行使に係る額を除く。)を上回り、かつ、当該交付に係る金銭を引き出してもなお現金超過額があるとき
当該交付に係る金銭
(2) 顧客が有価証券オプションの権利行使により成立するオプション対象証券の売買に係る決済を当該顧客から証拠金として差し入れられ又は預託されている当該オプション対象証券の交付により行おうとする場合であって、当該顧客の受入証拠金の総額(当該交付に係る対象有価証券に相当する額を除く。)が証拠金所要額(当該権利行使に係る額を除く。)を上回っているとき
当該交付に係るオプション対象証券
一部改正〔平成30年2月13日、令和2年7月27日〕
(計算上の利益額の払出し)
第36条 取引参加者は、顧客の請求に応じ、当該顧客の計算上の利益額に相当する金銭を、払い出すことができる。
2 前項の払出しは、当該顧客の受入証拠金の総額が証拠金所要額を上回っているときの差額を限度とする。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りでない。
(1) 当該払い出した金銭を、当該顧客が証拠金として当該取引参加者に差し入れる又は預託することとする場合
(2) 顧客が有価証券オプションの権利行使により成立するオプション対象証券の売買に係る決済を当該払い出した金銭の交付により行おうとする場合であって、当該顧客の受入証拠金の総額(当該交付に係る金銭を除く。)が証拠金所要額(当該権利行使に係る額を除く。)を上回っているとき
第2節 建玉の移管
(顧客の建玉の移管に係る手続き等)
第37条 顧客は、未決済約定について建玉の移管の委託を行おうとする場合は、あらかじめ先物・オプション取引口座を設定している移管元の取引参加者及び移管先の取引参加者から当該建玉の移管の委託について承諾を受けなければならない。
2 前項の場合において、当該顧客は、当該移管元の取引参加者に対して、銘柄ごとの移管を行おうとする未決済約定の数量及び当該移管先の取引参加者の名称について当該移管元の取引参加者が指定する時限までに申告するとともに、当該移管先の取引参加者に対して、当該数量及び当該移管元の取引参加者の名称を当該移管先の取引参加者が指定する時限までに申告しなければならない。
3 先物取引に係る建玉の移管は、当該建玉の移管を行う取引日の前取引日における各限月取引の清算数値を当該未決済約定に係る約定数値として行うものとする。
4 建玉の移管が成立したときは、未決済約定についての顧客と移管元の取引参加者との間の委託が終了し、同時に、当該未決済約定についての顧客と移管先の取引参加者との間の委託が新たに成立するものとする。
5 顧客は、未決済約定について、一の銘柄において売建玉と買建玉を同時に有し、かつ、その一部又は全部を決済(転売又は買戻しによる場合を除く。)する場合には、当該決済を行う銘柄及び数量を、当該決済を行う取引日の終了する日のクリアリング機構が定める時限までの取引参加者の指定する時限までに、当該取引参加者に申告するものとする。
一部改正〔平成30年2月13日〕
(商品先物取引等に係る顧客の建玉の移管に係る特例)
第37条の2 前条の規定にかかわらず、取引参加者は、顧客との間で特段の定めがある場合であって当該定めに該当した場合においては、当該顧客の建玉(商品先物取引及び商品先物オプション取引に係る建玉に限る。)を次の各号に掲げる方法により処理することができる。
(1) 当該取引参加者が指定する他の取引参加者へ当該顧客の建玉の移管を行うこと
(2) 当該取引参加者が指定する他の取引参加者に、当該取引参加者と当該他の取引参加者との間で合意した値段にて当該顧客の建玉の移管を行い、かつ、当該他の取引参加者が転売又は買戻しにより移管された建玉を決済すること
2 取引参加者は、前項の処理を行う場合には、あらかじめ同項に規定する他の取引参加者(当該他の取引参加者が商品先物等非清算参加者である場合には、その指定清算参加者を含む。)の承諾を受けたうえで、本所の承認を得るものとする。
3 前条第3項の規定は、第1項第1号の建玉の移管を行う場合において準用する。
追加〔令和2年7月27日〕
第3節 支払不能による売買停止等の場合における建玉の移管等
(支払不能取引参加者による通知)
第38条 本所が他の取引参加者へ売買停止等時の建玉の移管を行わせることとした場合又は第18条第1項若しくは第19条第1項の規定(第22条第1項において準用する場合を含む。)により他の取引参加者をして未決済約定の転売若しくは買戻し若しくは権利行使を行わせることとした場合には、支払不能取引参加者(指定清算参加者がクリアリング機構から支払不能又は支払不能となるおそれがあると認められたことその他特に必要があると認められたことにより債務の引受けの停止を受けた場合における非清算参加者を含む。)は、支払不能による売買停止等(指定清算参加者がクリアリング機構から支払不能又は支払不能となるおそれがあると認められたことその他特に必要があると認められたことにより債務の引受けの停止を受けたことによる非清算参加者の有価証券等清算取次ぎの委託の停止を含む。)を受けた後、直ちに顧客に対してその旨その他本所が必要と認める事項を通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた顧客が取次者である場合は、当該顧客は、その申込者に対して当該通知に準じた事項を通知しなければならない。
(売買停止等時の建玉の移管に係る顧客の手続き)
第39条 顧客(第21条第1項各号に掲げる顧客を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、前条第1項に規定する通知を受けた場合において、売買停止等時の建玉の移管を希望するときは、本所が指定した他の取引参加者のうち一の者に売買停止等時の建玉の移管について申し込み、本所が定める日時までにその承諾を受けなければならない。
2 前項の売買停止等時の建玉の移管についての承諾を受けた顧客は、受託契約準則の規定により売買停止等時の移管先取引参加者に先物・オプション取引口座を設定するものとする。ただし、現に当該売買停止等時の移管先取引参加者に先物・オプション取引口座を設定している場合は、この限りでない。
(転売若しくは買戻し又は権利行使に係る顧客の手続き)
第40条 顧客は、第38条第1項の通知を受けた場合において、未決済約定について転売若しくは買戻し又は権利行使を希望するときは、本所が定める日時までに、支払不能取引参加者(指定清算参加者がクリアリング機構から支払不能又は支払不能となるおそれがあると認められたことその他特に必要があると認められたことにより債務の引受けの停止を受けた場合においては非清算参加者)にその旨を指示するものとする。
(証拠金の特例)
第41条 第39条第1項の売買停止等時の建玉の移管が行われた場合は、顧客は、支払不能取引参加者(指定清算参加者がクリアリング機構から支払不能又は支払不能となるおそれがあると認められたことその他特に必要があると認められたことにより債務の引受けの停止を受けた場合においては非清算参加者。以下この条において同じ。)がクリアリング機構に預託していた当該顧客に係る委託分の取引証拠金(クリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則に規定する当該顧客又はその申込者が返還請求権を有する部分に限る。次項において同じ。)を、取引証拠金として売買停止等時の移管先取引参加者に差し入れたものとみなす。
2 前項の場合において、当該顧客に係る差換預託分の取引証拠金として預託されているものについては、次の各号に掲げる額のうちいずれか小さい額を、取引証拠金として差し入れたものとみなす。
(1) 当該顧客が支払不能取引参加者に委託証拠金として預託した金銭の額(外国通貨にて金銭を差し入れ又は預託した場合には、計算する日の前日における東京外国為替市場の対顧客直物電信買相場の当該通貨1単位当たりの円貨額により円貨に換算した額をいう。以下この項において同じ。)及び有価証券等の時価評価額(計算する日の前日における時価により評価した額(当該有価証券等が外国国債証券である場合は、その時価を計算する日の前日における東京外国為替市場の対顧客直物電信買相場の各外国国債証券の評価に用いる通貨1単位当たりの円貨額により円貨に換算した額)をいう。以下この項において同じ。)の合計額(支払不能取引参加者が当該顧客から差し入れられた取引証拠金をクリアリング機構に預託するまでの間における当該取引証拠金に係る金銭の額及び有価証券等の時価評価額の合計額を含む。)に相当する額
(2) 支払不能取引参加者がクリアリング機構に預託していた差換預託分の取引証拠金から、当該支払不能取引参加者が差換預託分の取引証拠金として預託していた外国通貨をもってクリアリング機構が円貨を取得し、又は代用預託していた有価証券等をクリアリング機構が換金したときの当該取得又は当該換金に要した費用を差し引いた額を、各顧客が支払不能取引参加者に委託証拠金として預託した金銭の額及び有価証券等の時価評価額の合計額(支払不能取引参加者が当該顧客から差し入れられた取引証拠金をクリアリング機構に預託するまでの間における当該取引証拠金に係る金銭の額及び有価証券等の時価評価額の合計額を含む。)に相当する額に応じてあん分した額
一部改正〔平成30年2月13日、令和2年7月27日〕
(証拠金の返還の特例)
第42条 売買停止等時の移管先取引参加者は、第39条第1項の売買停止等時の建玉の移管が行われた場合において、その日以後に顧客から前条第2項に規定する取引証拠金の返還請求を受けたときは、金銭により返還するものとする。
(取引証拠金の返還の特例)
第43条 顧客は、第39条第1項の売買停止等時の建玉の移管が行われなかった場合の返還請求権は、クリアリング機構先物・オプション取引証拠金規則の定めるところにより、クリアリング機構に対し直接行使することができるものとする。
第5節 特定会員が商品先物取引及び商品先物オプション取引に係る証拠金等並びに商品市場における取引に係る証拠金等の一体管理を行う場合における取扱い 追加〔令和2年7月27日〕
(特定会員による証拠金等の一体管理)
第44条の2 特定会員(金融商品取引法の一部を改正する法律(平成24年法律第86号。以下「金融商品取引法改正法」という。)附則第4条に定める特定会員をいう。以下同じ。)である取引参加者(株式会社日本証券クリアリング機構(以下「クリアリング機構」という。)の清算参加者である取引参加者に限る。)は、本所の開設する取引所金融商品市場における商品指数先物取引、商品先物取引及び商品先物オプション取引(以下「商品先物取引等」という。)に係る先物・オプション取引口座(以下単に「先物・オプション取引口座」という。)及び商品市場における取引(株式会社東京商品取引所及び株式会社堂島取引所が開設する商品市場における取引(商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第2条第10項に規定する取引をいう。)をいう。以下同じ。)に係る口座を設定した顧客を対象に、証拠金等の一体管理(先物・オプション取引口座(商品先物取引等以外の取引が行われないよう適切な措置が講じられている口座に限る。)及び商品市場における取引に係る口座を設定した顧客が、特定会員である取引参加者に預託する証拠金等に関し、以下の各号に掲げる取扱いを行うことをいう。以下同じ。)を行うことができる。
(1) 当該顧客から当該特定会員である取引参加者が証拠金(金銭並びに商品先物取引等に係る取引証拠金の代用有価証券及び商品市場における取引に係る取引証拠金の充用有価証券の双方に利用可能な有価証券に限る。)の預託を受ける際には、全て商品先物取引等分の委託証拠金として預託を受けること。
(2) 当該特定会員である取引参加者は、当該顧客から預託を受けた前号の委託証拠金の額以上の取引証拠金を、クリアリング機構における商品先物取引等に係る区分口座(以下「金融商品取引法下の取引証拠金口座」という。)及び商品市場における取引に係る区分口座(以下「商品先物取引法下の取引証拠金口座」という。)に預託すること。この場合において、各口座の預託額はクリアリング機構の定める取引証拠金所要額以上の額とし、その預託先に係る配分は当該特定会員である取引参加者が相当と認める割合において行うこと。
(3) 当該特定会員である取引参加者は、クリアリング機構の金融商品取引法下の取引証拠金口座又は商品先物取引法下の取引証拠金口座の預託額がクリアリング機構の定める取引証拠金所要額を上回る場合、当該上回る額を限度に他方の口座に振り替えることができるものとすること。
(4) 当該特定会員である取引参加者は、証拠金等の一体管理の対象とする口座における商品先物取引等及び商品市場における取引の値洗損益及び売買損益を通算して管理し、当該通算した損益額については、クリアリング機構の金融商品取引法下の取引証拠金口座及び商品先物取引法下の取引証拠金口座にて取引証拠金として管理すること。
(5) 当該特定会員である取引参加者は、当該顧客の商品先物取引等又は商品市場における取引に係る証拠金額のいずれかに不足(現金不足額を含む。)が生じた場合において、他方の口座において証拠金額に余剰がある場合、当該余剰分の証拠金(現金不足額の場合には現金に限る。)の額を限度に当該不足額に充当すること。
(6) 当該特定会員である取引参加者は、証拠金等の一体管理の対象とする口座における証拠金の過不足計算(現金不足額に係る計算を含む。次号において同じ。)を行う場合は、商品先物取引等及び商品市場における取引に係る値洗損益及び売買損益を通算して行うこと。
(7) 当該特定会員である取引参加者は、前号の過不足計算の結果、証拠金の不足額(現金不足額を含む。)が発生した場合で、当該顧客が当該不足額を所定の日時までに預託しないときは、商品先物取引等及び商品市場における取引に係る建玉を当該顧客の計算で処分することができるものとすること。
(8) 当該特定会員である取引参加者は、当該顧客に係る証拠金の余剰分の返還を行う場合は、クリアリング機構の金融商品取引法下の取引証拠金口座又は商品先物取引法下の取引証拠金口座から取引証拠金の返戻を受けることとし、その返戻元に係る配分は当該特定会員である取引参加者が相当と認める割合において行うこと。
追加〔令和2年7月27日〕、一部改正〔令和3年8月10日、令和3年9月21日〕
(特約の締結)
第44条の3 証拠金等の一体管理を特定会員である取引参加者が行う場合、当該取引参加者は証拠金等の一体管理の対象とする顧客との間で当該証拠金等の一体管理に係る特約を書面又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって金融商品取引業等に関する内閣府令第57条の3に定める方法と同様の方法をいう。)にて締結しなければならない。
追加〔令和2年7月27日〕
(管理態勢の整備)
第44条の4 証拠金等の一体管理を行う取引参加者は、証拠金等の一体管理を行うための適切な管理態勢を整備しなければならない。
追加〔令和2年7月27日〕
(取次者への適用)
第44条の5 取引参加者の顧客(特定会員である顧客に限る。)が取次者として申込者の預託する証拠金に関し第44条の2に定める証拠金等の一体管理を行おうとする場合には、当該取引参加者は当該顧客との間で当該顧客がこの章の規定に準じて申込者の証拠金等を管理する旨を確約させるとともに、当該顧客が適切に証拠金等の一体管理を行うために必要な管理態勢を整備しなければならない。
追加〔令和2年7月27日〕